沖縄県西原町・「寛尚ファーム」稲福さんの無農薬栽培の島バナナ、三尺バナナ

※この商品の売り上げの一部を、引きこりや不登校、障害のある人々の就業支援活動を行っているNPO法人ウヤギー沖縄の「おきなわ夢コーヒープロジェクト」に寄付します。

燻蒸の表示義務がない輸入バナナ、燻蒸されない国産バナナ

 

 バナナは栄養価の高いフルーツとして親しまれていますが、そのほとんどを輸入に頼っています。日本で流通している輸入バナナはフィリピン産、エクアドル産、台湾産などですが、これら海外のプランテーション(大規模農園)のバナナ栽培の多くは(一部の有機栽培バナナを除いて)雑草や病害虫防除のために除草剤、殺虫剤、殺菌剤など多種類の化学合成農薬や化学肥料が使用されています。

近年ではバナナにポストハーベスト農薬の使用はあまりないようですが、植物検疫で虫や黴、腐敗、病気などが発見されると密閉された倉庫の中で殺虫、殺菌のための燻蒸処理が行われます。この燻蒸処理にはシアン化水素(気化すると青酸ガス)や臭化メチルなどの猛毒物質が使われますが、燻蒸の表示の義務はありませんので消費者には店頭で販売されているバナナが燻蒸処理されたものかどうかの判断はできません。燻蒸処理をされたものは有機として認められませんので、輸入バナナで有機JASマークの付いたものは燻蒸処理をされていないものです。
 一方、国産バナナは国内移動ですので植物検疫にかからず、燻蒸処理をされることはありませんが、国産バナナは沖縄や奄美、小笠原諸島など限られた地域で栽培されているだけですので生産量はごくわずかです。それだけに国産バナナは貴重品です。

自然の生態系を重視、無農薬・無化学肥料で育てる

 

 沖縄在来といわれる島バナナはマレー半島が原産といわれ、今から150年ほど前に小笠原諸島から移入されたと伝えられていますが、それ以前にも台湾など南方の国々のバナナが持ち込まれて庭先などに植えられて栽培されていたと思われます。現在沖縄で栽培されているバナナは主に在来の島バナナ、台湾系の三尺バナナ、ナムワ(ドワーフナムワ)などの品種があります。  沖縄本島の南部、西原町にある稲福純子さんご家族の農園「寛尚(ひろたか)ファーム」では、バナナ農園特有の爽やかな香りが漂う中で、明るい陽光を受けて風にそよぐ緑の葉陰にびっしりと実をつけた大きな果房(バンチ)を下げた島バナナ、三尺バナナ、ナムワなどが並んでいます。(バナナは樹木ではなく草本で、木の幹のように見えるのは実は仮径といわれる葉鞘が幾重にも重なりあっているもので、茎は地中を横に這っています)  西原町内に数か所ある寛尚ファームの農園にはおよそ700本のバナナが植えられており、栽培の基本は無農薬、無化学肥料です。 「農薬や化学肥料を使わず、農園内の草やバナナの葉、茎の残滓などの有機物でつくった有機質堆肥(初期に牛糞堆肥使用)を使って栽培しています。沖縄の美しい豊かな自然を未来に残すには、環境を汚染する農薬や化学肥料をできるだけ使わないようにして、自然の生態系を大事に、循環型農業を目指しています」と稲福さんは思いを語ります。

農薬を使わず栽培の工夫で病害中を防ぐ

 沖縄のバナナ栽培には大きなリスクがあります。その一つが台風による被害が多いことです。台風の通り道で毎年多くの台風に襲われる沖縄では農産物の被害は甚大になります。とくにバナナは仮茎や根が弱いうえに、背が高く大きな果房をつけるので実の重みで倒れやすく、強風で根元から倒れてしまうことが多くあります。また風による葉擦れなどで実の表面(皮)に細かい傷ができたり、その傷跡が黒ずんだりして見た目が悪くなることも多いのです。

 台風以外の大敵はバナナツヤオサゾウムシ、バショウゾウムシなどのゾウムシ類による食害、フザリウムという黴の一種が繁殖することにより黒ずんだり、枯れたりして畑全体が全滅することもある萎凋病(パナマ病)と呼ばれる病気などで、台風と病害虫の被害で収穫が激減したり、全く収穫できないということもあり、沖縄でバナナ生産の規模拡大が難しい要因になっています。

 寛尚ファームではこうした害虫や病気の蔓延を防ぐためにこまめに雑草の管理をして、葉や実を食害する害虫の天敵(益虫)など多様な生物が生息する環境をつくって害虫を増やさず、株間を空けて密植を避けるなど病原菌が繁殖しやすい湿った空気が樹間に滞らないように風通しをよくするなどの工夫をしています。

美味しさの秘訣は有機堆肥による土づくり

 寛尚ファームのバナナ農園の土は柔らかくフワフワしています。農薬や化学肥料を使わず良質の自家製有機質堆肥で土づくりをしているので、有益な土壌微生物が増えて有機物の分解が活発に行われ、団粒構造ができて根の張りがよくなり、栄養成分を十分に吸収して健康に育ちます。
 「有機質堆肥にはミネラル類をはじめバナナの生育に必要な栄養成分がバランスよく含まれているので、雑味のない本来の味、香りがある美味しいバナナになります」と稲福さんは言います。

 稲福さんの農園で栽培しているバナナの品種は島バナナ、三尺バナナを主にナムワなどで、いずれも輸入される外国産バナナより小ぶりですが、ねっとりとした独特の食感と甘み、濃厚な味わいで地元沖縄でも「とても美味しい」と評判です。
 一般的にバナナの仮径1本に1つの果房がつき、5~7段の房がつきます。1房につくバナナの実の本数は品種や果房に房がつく場所によっても異なりますが島バナナで8〜12本、三尺バナナで15〜17本、ナムワで10〜12本程度です。

 島バナナは背の高さの割に、普通のバナナの半分ほどの小ぶりな実がなりますが、普通のバナナに比べ、ねっとりとした食感で独特の酸味と濃厚な甘さがあり、在来化した沖縄産バナナ特有の風味が楽しめます。
 三尺バナナは台湾バナナ系で背が低く、およそ三尺(1.14m)ほどの高さに実をつけるので台風による風の被害を受けにくく、昔からよく庭先で栽培されてきました。普通のバナナに比べて小ぶりですが、香りも良く、濃厚な甘みと酸味のあるバナナ本来の味わいがあります。

バナナ栽培とともに、無農薬コーヒー、月桃栽培にも取り組む

 農場名には、将来農業を目指す次男の寛尚さんの名前を冠しています。寛尚ファームがバナナ栽培を始めたのは4年前の寛尚さんが大学1年生のとき、その前年の寛尚さんが高校3年生のときにコーヒーの栽培を始めています。  大学生の寛尚さんは授業の休みの日に農作業を行い、普段は長男の健博さんが老人ホームの調理師をしながら畑仕事をし、お母さんの純子さん、お父さん、お姉さんなど家族が手伝いをしています。
 農園は現在7か所。沖縄でも少子・高齢化により農業後継者が激減し、遊休農地・耕作放棄地が増加して農産業が衰退しており、農業後継者の育成と農地再生は急務となっています。稲福さんは、増加する遊休農地を積極的に引き受け、再生してコーヒー、バナナの他に沖縄特産の月桃の栽培にも取り組んでいます。

 稲福さんご家族がコーヒー栽培を始めたきっかけの一つに、引きこもりや不登校、障害を持つ人々の就業支援活動を行っているNPO法人ウヤギー沖縄との出会いがあります。

 NPO法人ウヤギー沖縄理事長の近藤さんは、かつて建築家として学校建築に携わり、文科省の依頼を受けて日本の養護学校の建築様式を作り、それが縁で養護学校卒業者や引きこもり、障害を持つ人たちの全国的な就業支援組織づくりに取り組み、沖縄でもウヤギー沖縄を立ち上げました。今から10年ほど前にコーヒー栽培をしていた高齢のご夫婦からコーヒーの木を譲り受け、それを増やしてコーヒー農園を作り、コーヒー栽培によって引きこもりや不登校、障害を持つ人たちの働く場を作ろうとしてきました。また、沖縄コーヒーを地域特産品として地域振興の一助にしようとしてきました。

 これまで長く社会福祉活動に取り組んできた稲福さんは、近藤さんが理事長を務めるNPO法人ウヤギー沖縄が進める「おきなわ夢コーヒープロジェクト」に賛同して自らも農園でコーヒー栽培を始め、地域特産品開発による地域復興と農福連携を目指してバナナ、月桃の栽培にも取り組んでいます。

 バナナにはバントテン酸、葉酸、ビタミンB群、ナイアシン、レチノール当量、βカロテン、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、亜鉛、鉄、リンなどの多様なビタミン、ミネラル類や炭水化物、タンパク質、食物繊維、セロトニンなどの栄養素が豊富に含まれていますので、エネルギーの補充、動脈硬化、高血圧やアンチエイジング対策、ダイエット、整腸、疲労回復など健康面での大きな効果が期待できる食べ物です。

 農業を通じて地域の再生や福祉、環境保全に取り組む若き農業者とそのご家族が生産する貴重な国産無農栽培沖縄バナナの逸品をぜひご賞味ください。

バナナの追熟・保存方法

 まだ青いままの未熟のものをお送りいたしますので、追熟してからご賞味ください。追熟期間は収穫時期や保存する室温の状態によって前後します。沖縄では風通しのよいところで、ヒモで吊るして追熟させています。横にして実が下になると熟すにつれてその部分が黒く変色することがあります。

 熟してくると皮が黄色く色づき、しだいに黒い斑点がでてきたら甘みが出てきます。全体が黒ずんで触って柔らかくなっていたら食べごろです。追熟温度は個体差もありますが常温(25℃以下、20℃程度)が適温です。

 追熟をお急ぎの場合は、ダンボールあるいは発泡スチロールの箱、ビニール袋などにリンゴと一緒に入れておくと追熟が早まります。また、配送中の気温変化などによってはお届けした時点で黄色く色づいていることもありますが、まだ熟していませんので追熟させてからお召し上がりください。

 お届けしたバナナは早めに箱から出してください。夏の暑いときには風通しのよいところに保存して蒸れや黴を防ぐようにします。

 青いバナナを冷蔵すると追熟が進まず、黒く変色することあります。冷蔵庫には追熟してから保存すると良いでしょう。